ろくべえって何?

対馬の「ろくべえ」をご存知でしょうか?
「ろくべえ」とは、対馬のソウルフードの一つで、さつま芋のデンプンを麺にしておつゆにつけて食べるものです。
麺の色が黒に近い茶色で、お世辞にも美味しそうな色ではありません 笑
ろくべえストーリー
江戸時代に対馬に入ってきたさつま芋によって、対馬島民は江戸の飢饉を乗り切りました。
享保の大飢饉のときには餓死者が一人もでないなど、さつま芋は対馬の食糧事情に多大な貢献をしました。
対馬ではさつま芋のことを孝行芋、と言いました。
とある孝行息子が、さつま芋の栽培に成功し全島に広めたから、と伝えられています。
さつま芋は、やせた土地でも冷夏でもよく育ち、調理もしやすく美味しく栄養もあります。
しかし、さつま芋には弱点がありました。さつま芋は腐りやすいんです・・。
さつま芋を何とかして保存食にしたい!と願った島民は、みんなで知恵を寄せ合って、幾重にも手間をかけてでんぷんだけを抽出する「せん」を開発します。
「せん」の由来は、「千(の手間をかけたもの)」と言われています。
「せん」を団子状にして保存食にしたので、「せんだんご」と呼ばれるようになりました。
せんだんごの状態だと、何年ももち、ぬるま湯で溶かすだけで加工がしやすくなります。
ろくべえは、せんだんごを溶かして麺状にしたもの。
対馬の千恵と手間が結集したろくべえ、一度食べてみたくなりましたか?
ちなみに、長崎県の島原にも「ろくべえ」はありますが、そちらは芋の粉と小麦粉を混ぜたものなので原料が違いますね。
気になるお味は?
まず、ぷるぷるとした食感が印象的です。ぷるぷる、つるつるとお出汁とともに喉を通ると
干し芋のような味覚を感じます。
正直、味はそこまで美味しい、というわけではありません。
もともとが保存食ですから、味よりも栄養が優先だったのでしょうね。
味というよりも食感が楽しいので、今度は団子にしてぜんざいで食べたくなります。
実際冬になると、対馬ではせんだんごのぜんざいを食べる機会があります。
ろくべえのぷるぷる食感に、一気にファンになる人がいますよ!
どこで食べられる?
対馬の食事処や、郷土料理を出す飲食店に行けば大抵はメニューにあります。
家庭料理ですのでそれぞれに味があり、それはそれで良いのですが。
特におすすめのお店は、厳原町内山地区にある「らん亭」さんです!
実は、YOUTUBEでろくべえを食べる機会があって、1度でらん亭さんのファンになりました。
よかったら参考までに動画をご覧くださいね。
ここのお出汁がとっても美味しいんです。。ろくべえもぷるんぷるんで。
えび天付きろくべえが、たしか700円くらいでした。
らん亭のご主人がとってもきさくな方なのでぜひ足を運んでほしいです。
ひのき山荘対馬からは車で20分程度、あゆ戻し自然公園のすぐ近くです。
もしも「らん亭」さんに辿り着けたら、「せりにゃんから聞きました!」とご主人に声をかけてみてください。もしかしたら何かいいことあるかもしれませんよ!
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